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- 2019.12.18 Wednesday
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JUGEMテーマ:本
魏晋南北朝あたりの歴史と仏教伝来をチェックしていたところ、漢と秦の帝国期まで読み進めることとなったのでしたが、この秦の始皇帝が妙に不老不死に凝っていたことから、いわゆる現代道教の一部を占める神仙術系の事柄を調べるために、さらに春秋戦国時代へ戻っていくだけではなく、殷周の発掘調査記録の紹介をする講談社学術文庫『古代殷王朝の謎』(伊藤道治)と同文庫『古代中国 原始・殷周・春秋戦国』(伊藤道治・貝塚茂樹)にまで目を通すようになってしまいました。ここにきて、ようやく五帝三皇伝説や、殷の発掘資料から推測できる古代中国社会の様態などが、その後の中華文明の基礎を築き上げていったことが分かるようになりました。
何と申しましょうか、緩やかな権威主義的共同体というものがあり、それが殷・周などの王室の権威を中心として人心を掌握し、その権威下のものとで他の氏族はそれぞれの領邦を支配していたと理解できそうです。
春秋戦国時代になると、周王朝の権威が低下し、有能な人物たちは諸侯領邦を渡り歩いてキャリアを築き上げていき、そうした人々を採用することで諸侯の勢力が伸びていったことが分かりました。
その諸侯の実力主義的拡張の動きは、日本の戦国時代を連想させるもので、才覚ある者は、出身地を出奔して別の土地の実力者に仕えていくことになり、また諸侯・才覚ある者達は、それぞれ婚姻関係などが複雑に入り混ざっているところも面白いと感じました。
何冊かの中国史関係の本を読むことになり、もしかすると、中華系マンガを読むときの背景理解に役立つかもしれませんし、ならないかもしれません。
役立ちそうだから読むのではなく、好奇心を満たすために読むのが楽しい、と思う今日この頃でした。